【解説】行政書士試験【平成30年度】問題20

時短教材(平成30年度)

問題20正解5
難問なので、分からなかった人も気にせず、正しい肢(本問ではウとオ)と下記の判例要旨をこの機に覚えてください。
なお、覚えるべきは、正しい肢です。問題を解く際は、「正しいか」、「正しくないか」を見て解くからです。

ア(誤)最判平成25年3月26日
建築士の設計に係る建築物の計画についての建築主事による建築確認は,当該計画の内容が建築基準関係規定に明示的に定められた要件に適合しないものであるときに,申請書類の記載事項における誤りが明らかで,当該事項の審査を担当する者として他の記載内容や資料と符合するか否かを当然に照合すべきであったにもかかわらずその照合がされなかったなど,建築主事が職務上通常払うべき注意をもって申請書類の記載を確認していればその記載から当該計画の建築基準関係規定への不適合を発見することができたにもかかわらずその注意を怠って漫然とその不適合を看過した結果当該確認を行ったと認められる場合に,国家賠償法1条1項の適用上違法となる。
イ(誤)最判昭和61年2月27日
 警察官のパトカーによる追跡を受けて車両で逃走する者が惹起した事故により第三者が損害を被つた場合において、右追跡行為が国家賠償法一条一項の適用上違法であるというためには、追跡が現行犯逮捕、職務質問等の職務の目的を遂行するうえで不必要であるか、又は逃走車両の走行の態様及び道路交通状況等から予測される被害発生の具体的危険性の有無・内容に照らして追跡の開始、継続若しくは方法が不相当であることを要する。
ウ(誤)最判 平成3年4月26日
一 公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法三条一項又は公害健康被害補償法(昭和六二年法律第九七号による改正前のもの)四条二項に基づき水俣病患者認定申請をした者が相当期間内に応答処分されることにより焦燥、不安の気持ちを抱かされないという利益は、内心の静穏な感情を害されない利益として、不法行為法上の保護の対象になる。
二 右認定申請を受けた処分庁には、不当に長期間にわたちないうちに応答処分をすべき条理上の作為義務があり、右の作為義務に違反したというためには、客観的に処分庁がその処分のために手続上必要と考えられる期間内に処分ができなかったことだけでは足りず、その期間に比して更に長期間にわたり遅延が続き、かつ、その間、処分庁として通常期待される努力によって遅延を解消できたのに、これを回避するための努力を尽くさなかったことが必要である。
エ(誤)最判平成5年3月11日
税務署長が収入金額を確定申告の額より増額しながら必要経費の額を確定申告の額のままとして所得税の更正をしたため、所得金額を過大に認定する結果となったとしても、確定申告の必要経費の額を上回る金額を具体的に把握し得る客観的資料等がなく、また、納税義務者において税務署長の行う調査に協力せず、資料等によって確定申告の必要経費が過少であることを明らかにしないために、右の結果が生じたなど判示の事実関係の下においては、右更正につき国家賠償法一条一項にいう違法があったということはできない。
オ(正)最判昭和61年2月27日
国家賠償法一条一項にいう「公権力の行使」には、公立学校における教師の教育活動も含まれる。

(使い方)

  • 問題は、行政書士試験研究センターのホームページなどから御自分で用意してください。
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