(本日のコンテンツ)
1 出願はギリギリ、合格もギリギリ
2 最初に揃えたもの
3 PDCAの失敗
去る水曜日(1月26日)令和3年度の行政書士試験の合格発表がありました。
合格された方、おめでとうございます。
また、今回、残念ながら、不合格となり、捲土重来を期す方は、この記事を御参考としていただければ幸いです。
さて、このブログ内で
- 独立には士業がお勧めであること。
- 企業内診断士で、内勤経験しかないような場合、独占業務資格とのダブルライセンスが有力であること。
- 法律系資格の難易度は、弁護士>>>司法書士≒弁理士>税理士>>社会保険労務士>行政書士のようなものであるということ。
を書かせていただき、「隗より始めよ」ではないですが、私、令和3年度の行政書士試験を受験し、運よく合格しました。本日は、その顛末を御報告しようと思います。
1 出願はギリギリ、合格もギリギリ
「行政書士は、王道を往け!」にも書かせていただきましたが、行政書士には、お客様にも自分にも、分かりやすいビジネスモデルがあって、自分一人でもできなくはなさそうだったので、受験を決意。幸いインターネットから手続が完結してギリギリセーフ。
なお、合格もギリギリセーフでした。
今となればですが、問題37で1番を選んでしまったことと、記述式の三問目で、民法第717条第1項の「損害の発生を防止するのに必要な注意をしたとき」を「賃借人が賃借人として通常の注意をしたとき」と解釈し、「賃借人が賃借人として通常の注意をしたときは賃貸人の責任。そうでないときは賃借人の責任」と書いて、多分、零点であったことがギリギリセーフの原因でしょう。
言い換えると、複数解答があるときは、同一条文内で片が付く肢が正解(問題37)、記述式であっても、現実的な法解釈を行ってはならず、条文の文言のみをあてはめて書くのが正解(記述式の三問目)との行政書士試験独自のお作法を知らなかったことがギリギリセーフの原因といえます。
あやうく敗因になるところでした。(--;
2 最初に揃えたもの
受験の申込みをしたので、アマゾンで、次のテキストと過去問を購入し、TACに模擬試験の申込みをしました。本心は、伊藤塾受験でしたが、在宅受験では模擬試験の価値が半減するので…
- うかる! 行政書士 総合テキスト(伊藤塾)
- 行政書士試験過去問集(伊藤塾)
- みんなが欲しかった! 行政書士の5年過去問題集2021年度(TAC)
次いで、軽く、うかる! 行政書士 総合テキストを睨んだ後、過去問のつぶし(つぶすの意味は、「ITストラテジスト試験の合理的攻略法について」を御覧ください。)に入ったところ、「行政書士試験過去問集(伊藤塾)」では、何と問題文が一部略されています。
もっとも、「みんなが欲しかった! 行政書士の5年過去問題集2021年度(TAC)」には、きちんと載っていますので、問題文は、もっぱらこちらを使いました。
なお、うかる! 行政書士 総合テキストは、付録の条文集以外、ほぼ使うことはありませんでした。過去問解説の分からない部分を調べようとページを繰っても、基礎的な記述ばかりで役に立たなかったからです。また、最初の1年分の点数は、140点(記述抜き)でした。
この140点(記述抜き)を180点(記述込み)にまでもっていかなくてはならないのですが、一冊目+二冊目の1年分が終わったところで、第一回目の模擬試験日となってしまい、かつ、第二回目の模擬試験日まで一週間しかなかったので(まずは、第一回目の模擬試験の復習をしていたので、)、過去問つぶしは、一冊目+二冊目の1年分まで(都合1.2冊)で、模擬試験全2回は終了しました。
結果、模擬試験の平均点は、157点(記述抜き。トータル180点に達せず、判定はC)でした。
3 PDCAの失敗
模擬試験も終わり、計画の見直しに着手したのですが、1.2冊のつぶしで17点上がる(記述抜き)とすれば、単純計算で、2冊のつぶし終了時点で28点アップ(168点)、3冊のつぶし終了時点で42点アップ(182点)の見込みになります。(実際の点数は、2冊つぶしで166点(記述抜き)で、見込みとの差異は、△2点でした。)
【反省】ここで私は、計画どおり3冊つぶしを行うべきでした。【後悔】
しかし、2回の模擬試験で、あまりに記述が悪っかたせいで180点に達しなかった、また、同じ点数(10点強)を上げるのであれば成績の悪い記述の方が簡単だろうと思い込んだ私は、つぶしを2冊にとどめ、次の図書を購入して記述式の対策を行うことにしてしまいました。
- みんなが欲しかった! 行政書士の40字記述式問題集 2021年度(以下この記事で「TAC40字」という。)
結果、本試験の迫る中、下表のように貴重な時間を17時間も浪費した上に、「記述待ち」なる精神不安定状態まで経験することになってしまいました。(記述対策をしていた時期は、定年は近いけれども、近いだけで勤務はしている上、中小企業診断士の資格維持のための実務従事事業参加で時間の余裕が全くありませんでした。そんな状況で17時間もかけて、模擬試験時点から全く点数が上がっていないのですから、浪費としかいいようがありません。)
近々、検証しようとは思いますが、現時点の仮説として、行政書士試験では、殊更、記述式の対策を行う必要はなく、練習試合(過去問つぶしや模擬試験)で訓練するだけで十分と思っています。
なお、私の買ったTAC40字があまりにも酷かったということはありますが(最悪事例が下表)、もしかしたら、記述対策の図書の中には、素晴らしいものがあるかもしれないので、この機に、次の図書を買い足しました。
- 合格革命 行政書士 40字記述式・多肢選択式問題集 2021年度
- うかる! 行政書士 総合問題集 2021年度版
- 大原メソッド! 行政書士40字記述がラクラク書ける本
- 行政書士 トレーニング問題集 3記述式・多肢選択式 2021年対策
- 2021年版 出る順行政書士 40字記述式・多肢選択式問題集
令和3年度本試験の問題19は、次の4番が正解
4 航空機の騒音の防止は、航空機騒音防止法の目的であるとともに、航空法の目的でもあるところ、定期航空運送事業免許の審査にあたっては、申請事業計画を騒音障害の有無および程度の点からも評価する必要があるから、航空機の騒音によって社会通念上著しい障害を受ける空港周辺の住民には、免許の取消しを求める原告適格が認められる。 これは、判例(最判平元.2.17)を元に作成された問題ですが、何とTAC40字問題22では、同様の事例で、空港周辺の住民の原告適格に言及することなく、原告らが違法を主張する理由が自己の法律上の利益ではないとする最高裁での結論のみから解答を作成していました。 さすがに問題22の与件文(違法を主張する理由が着陸帯や滑走路の方法のみ)だけで、自己の法律上の利益ではないは導けないので、最高裁判例に当たり直す羽目になりました。 おかげで4点はゲットできましたが、これ以外にも諸々不信感を煽るものがあって、TAC40字の問題65※は、記述式の3問目にズバリだったのですが、解説の賃借人に一時的な責任があるを信じ切ることができず、現場での葛藤の末、4点どころでない失点をしました。 ※ 瓦の落下で怪我をした通行人が賃借人と家主を訴えたが、裁判所が家主のみの責任を認めた理由を書けとの問題。結論(家主のみに責任がある)が妥当なので、解説の賃借人に一時的な責任があるにまで突っ込むことをせず、行政書士試験独自のお作法の発見に到達できなかった。 もっとも、これは、TAC一人の問題ではなく、借家の外壁が崩れるような異常事態の一次的な責任が賃借人(条文の文言のみをあてはめて書くのが正解)という行政書士試験独自のお作法にも大いに問題があります。 |
少しお時間をいただくことにはなると思いますが、今後、各図書を読み込んだ上で、記述式に関する考えを整理することとし、本日は、この辺りといたします。
それでは、皆様、今後とも、家内安全を第一に、無理のない範囲でお取り組みください。
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