行政書士試験の合理的な攻略法について

行政書士

(本日のコンテンツ)
1 スタート地点を確認する。
2 計測する、そして見直す。
3 記述式は、上積みを狙え。

皆様、おはようございます。
前回は、個人の体験記をお話ししましたが、本日は、この体験も踏まえた上で、行政書士試験の合理的攻略法を御提案しようと思います。

1 スタート地点を確認する

まずは、既報の「資格試験の合理的な攻略法について」を御一読ください。

次に、行政書士試験に取り組むかどうかを、これから考える方は、行政書士試験一年分を解いてみましょう。初めての挑戦は、知識レベルの確認が目的なので、試験時間(3時間)を超えてもかまいません。とにかく最後まで解いてください。

解き終わったら、採点をして、解説を読みますが、この解説は、どの程度理解できるでしょうか?

経験則では、期待値(48点/240点。この時点では記述式は採点しなくてかまいません。)付近しか点数が取れていない方であれば、多分、解説もチンプンカンプンでしょうし、最初から、半分以上の点数になる方(私は、記述抜きの部分で140点/240点(58%)でした。)であれば、ところどころ分からないところがあるにしても、過去問からの開始で問題はないでしょう。

なお、解説がチンプンカンプンのときは、入門書や入門講座から始めなくてはいけないので、自分が行政書士ビジネスを実施することになってもいいのかを再吟味してください。各予備校の行政書士実務講座を受けてみるのも手です。
といいますのも、入門書や入門講座からでは、合格までに数百時間を要すると思われるからです。(従事しないビジネスのために数百時間はもったいなさすぎますよね。)

~とはいえ、もしかしたら初学者でも200時間程度でOKかもしれません~
記述式の分析のため、合格革命 行政書士40字記述式・多肢選択式問題集 2021年度を読んでおりますと、下図の①「合格革命行政書士スタートダッシュ」と②「合格革命行政書士基本テキスト」だけで重要過去問を中心とする③「合格革命行政書士基本問題集」に移行できるとのこと。とすれば、とすればですよ、①と②を丁寧に三回ぐらい?読めば、③の過去問解説が理解できるようになるはずです。本当であれば朗報です。
200時間≒①合格革命行政書士スタートダッシュ+②合格革命行政書士基本テキスト
+行政書士試験過去問集(みんなが欲しかった! 行政書士の5年過去問題集)
~丁寧の意味~Festina lente、あるいは、慌てず、急いで、正確に
ここで御注意いただきたいのは、丁寧というのは、理解に合わせて進むという意味です。
伊藤塾生の方は、Festina lenteという言葉を御存じだと思いますが、まるやはヲタクなので、ここは敢えて、「慌てず、急いで、正確に(ヲ)」と申し上げます。(--;
合格というプロジェクトを成功させるためには、「慌てず、急いで、正確に」です。
(ヲタク語録)
さらば宇宙戦艦ヤマトでの斉藤始の名セリフ。真田が動力炉に爆弾を設置する間、敵の侵入を防ぐべく入口前に仁王立ちし、「技師長、慌てず、急いで、正確にな」と声をかけて、無数の銃弾を浴びつつ時間を稼ぎ戦死。まるやは、ヤマトは、さらばで終わったと思っています。

さて、過去問解説を理解する力があれば、過去問つぶし三冊で、大抵の場合、合格力は付きますから、合格革命に書かれていることが本当であれば、初学者でも200時間程度で合格することができることになります。しかも、独学で!

とりあえず、合格革命2冊を買い揃えましたが、ざっと見た感じ、①「合格革命行政書士スタートダッシュ」が②「合格革命行政書士基本テキスト」(立ち位置は、問題集とセットというところも「うかる! 行政書士 総合テキスト(伊藤塾)」と同じかなという感じです。)の下支えのつもりなんだろうとは思うものの、私、法実務にどっぷりつかっているので、初学者時代の記憶が遠い過去になっており、本当に初学者が無理なく理解できるかを検証できません、残念です。

(2022年3月22日追記)
残念ながら本書のみで、真の?初学者が無理なく理解することは難しそうです。というのも、真の?初学者は、条文上の文言と社会的事実がリンクしていないからです。
もしあなたが真の初学者で、書籍の文章のイメージが掴めないと思ったときは、誰か尋ねることができる人がいれば一番いいのですが、いないときはインターネットで検索してみてください。動画や画像が理解を助けてくれる場合があります。

なお、初学者の方で挑戦される方は、①を3回の次に②を3回ではなく、①を1回の次に②、まだ早いと思ったら①の2回目に入る、というように、時間を効率的に使うため、小さなチャレンジを繰り返しながら、理解に合わせて、慌てず、急いで、正確に進めてください。

2 計測する、そして見直す。

入門レベルを卒業している方々であれば、行政書士試験は、過去問だけで、十分、合格点に達します。そしてこれは、ネット情報だけでなく、自身の体験からも裏付けられます。

さて、令和4年2月6日現在、本番形式の過去問題集は、次の2つしかないと思います。
(令和3年3月20日追記)三冊目を見つけて購入しましたが、この本は、問題文に省略がない以外は、解説も充実してはおらず、特に見るべきものはありません。三冊つぶすつもりの人であれば、問題に省略がないので、買ってもいいかなというぐらいです。

  • 行政書士試験過去問集(伊藤塾)
  • みんなが欲しかった! 行政書士の5年過去問題集2021年度(TAC)
  • 詳解行政書士過去5年問題集(コンデックス情報研究所)

私は、法学的には伊藤塾が優れており、受験的にはTACが優れていると思いますが、御自身で比べてみてください。(私は、TACは、もっぱら問題用で、解説は通読一回のみ。解説は、もっぱら伊藤塾でした。)とはいえ、無勉で180点(記述抜き)取れるような方を除き、通常は、2冊以上つぶすしかないので、2冊とも買えばいいでしょう。

さて、ようやく過去問つぶしに入りますが、この際、面倒でも、必ず、かかった時間を記録してください。この記録がなければ、合理的な計画の見直しができないからです。なお、通常、回数を重ねる度、徐々に早くはなります。

~1日12時間は、大嘘?~
かかった時間を記録していると分かると思いますが、まず、集中は長く続きません。
通常は、20~30分で切れますので、集中が切れたら勉強以外にやらなければならない他のことをしてください。ストレッチでもいいし、寝てもかまいません。運動、休養は必要です。
経験則では、丸一日、勉強に使うつもりで予定を組んでも、正味8時間できれば上出来です。
(8時間労働は、ある意味、真理です。)
したがって、計画を立てるときは、集中できる時間数を元にしてください。よく1日12時間勉強したとかいう人がいますが、机の前に座っていたの間違いではないでしょうか。

前回の合格体験記に見直しの経過を書かせていただきましたが、仮に、最初の一年分の点数が132点(記述抜き)で、2冊目が終わったときの模擬試験の点数が168点(記述抜き)であったとすれば、3冊目が終わったところで、186点(記述抜き)の見込みになるので、後1冊のつぶしを頑張っていきましょう!になります。当然、模擬試験の復習もして、更に上積みを狙いますが…

なお、これまで、時間を計測していますから、後一冊の所要時間も、相当正確に把握できます。
合格に向け、きちんとスケジューリングしましょう。

一方、仮に、最初の一年分の点数が128点(記述抜き)で、1冊目が終わったときの模擬試験の点数が146点(記述抜き)であったとすれば、2冊目が終わったところで、164点(記述抜き)の見込みになるので、後1冊のつぶしだけでは、いわゆる記述待ちに陥り、ちょっと心許ない感じです。そうなると、模擬試験の復習だけでなく、何とか、時間を工面して、後2冊計3冊をつぶしたいところです。(3冊つぶせば、一応、182点(記述抜き)の見込みで少し安心ですね。)

とまあ、こんな感じで、模擬試験を利用して、見直しをすることになると思いますので、きちんと時間は計測してください。もちろん、検討の結果、当初の計画を見直さないこともあり得ます。=当初から適切な計画であったということです。

3 記述式は、上積みを狙え。

それでは、記述式はどう対応するのか、ということになりますが、たったの40文字と、字数制限が厳しいくせに、やたら指示が細かいので、次のようなプロセスで、考えざるを得ないでしょう。

  1. 出題者が意図する条文、判例又は講学上の概念を特定する。
  2. 題意に沿って当該条文、判例又は講学上の概念のキーワードを抜き出す。
  3. 抜き出したキーワードを組み合わせる。

仮に、出題者が意図する条文、判例又は講学上の概念が複数思い浮かび特定できないときは、博打で絞り込むか、思い浮かんだ条文、判例又は講学上の概念を全部盛り込み、部分点を狙うしかありません。そして、運悪く全く思い浮かばばないときは、仕方がないで、自らのリーガルマインドを信じ、常識的な結論に基づいて解答を作成するしかないのですが、行政書士試験の記述式は、今年度であれば、第三問のように、時として、非常識な解答を求めますから、そういうのに当たったときは、沈没するしかありません。

繰り返しますが、行政書士試験の記述式には、現実的な法解釈を行ってはならず、条文の文言のみをあてはめて書くのが正解という行政書士試験独自のお作法に従わざるを得ない場合があるのです。今後、受験する人は、覚えておいてください。

私は、試験が終わってから知ったのですが、世間様でも、(ここまであからさまに行政書士試験の記述式が非常識だからとは言いませんが、)記述式以外の部分で180点を狙っていこうというのが、セオリーのようです。

受験予備校にしても、非常識問題に対して、「行政書士試験の解答では、単純あてはめでこう書くけど、裁判所では通用しないから、民亊法務相談のときは、こんな風に答えてね。」などとは言わないでしょうし、このブログをお読みになられる方々が、来年度以降の行政書士試験の記述式で得点をアップしてもらえるよう、次回以降の記述式分析では、複数該当条文の問題や、まともなリーガルマインドでは出てこない解答になるところは、はっきりその旨を述べた上で、でも、行政書士試験で得点するためには、〇〇と書きましょうと、言い切るつもりです。

なお、次回から、まずは、行政書士試験研究センターに掲載されている過去問6年分を1年ずつ消化し、その後、購入した図書の分析に入る予定です。
力不足は、重々承知していますが、できる限り頑張っていきますので、よろしくお願いします。

(20220717追記)
【朗報】行政書士試験記述式対策【決定版】をリリース
結論、「水物と言われる記述式でも、少なくとも、30点は狙えます。」

それでは、本日は、この辺りといたします。
皆様、今後とも、家内安全を第一に、無理のない範囲でお取り組みください。

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